AIN'T NO DAMN WAY!

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ハイチ系カナダ人のDJ/プロデューサーKAYTRANADAが音楽フェスティバルでヘッドライナーを務め、グラミー賞を受賞するずっと前、彼はジェイ・Zのアルバム『The Black Album』(2003年)と、そのドキュメンタリー作品『Fade to Black』に夢中な少年だった。Pharrell Williams、JUST BLAZE、カニエ・ウェスト、リック・ルービンといった才能あふれるプロデューサーたちがゼロからビートを創り出す姿を見て、彼はただのファンから学ぶ者へと変わり、アルバムのクレジットを読み込み、最終的にはJ Dillaの楽曲を逆解析して独学でビートメイクを習得した。2010年代初頭にはヒップホップへの愛とハウスミュージックへの興味を融合させ、ジャネット・ジャクソンやTeedra Mosesの楽曲をバイラルヒットに仕立てたエディットでアンダーグラウンドから頭角を現す。それらはKAYTRANADAの代名詞ともいえるドラムスイングに彩られていた。そして彼はヒーローたちの足跡をたどるようにコラボレーションを重ね、ファーストからサードまでのスタジオアルバムには、PinkPantheressからTinashe、カリ・ウチス、さらにはPharrell Williamsまで、多彩なアーティストが参加した。 4作目のアルバムとなる本作では、KAYTRANADAのプロダクションがすべてを語っている。魅惑的なループ、洗練されたリズム、そして広範囲にわたるサンプリングで構成されたこのアルバムは、クラブで時間を忘れるような完全没入型のダンスグルーヴを奏でる。レトロなビートを鳴らす「SPACE INVADER」は、ザ・ネプチューンズがプロデュースしたLatrelle「My Life」のリフレイン「Gotta get away sometimes」が心の逃避行へと誘う。 「CHAMPIONSHIP」「TARGET JOINT」「GOODBYE BITCH!」などのトラックには、彼のDJセットを思わせるスタッターやグリッチがちりばめられている。彼は自身のスタイルと各時代のモードを融合させ、Steve Moniteの1980年代アフロブギー「Things Fall Apart」を瞑想(めいそう)的なプールサイドハウスに、ラッパーのカッパドンナが1998年に発表した「Black Boy」をしなやかなディスコチューンに生まれ変わらせる。「DON’T WORRY BABE / I GOT U BABE」のソウルフルで安心感を与える歌声は、じわじわと盛り上がるバンガーへの巧妙な導入となり、パーティーは、TLCをサンプリングしたクロージングナンバー「DO IT! (AGAIN!)」まで続く。それは遊び心のあるラストコールであり、再びパーティーへと誘う招待状でもある。

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